チニングハードゲーム
今夏の決意
アジが釣れる漁港が近所に無かったりなど色々な理由で最近アジングよりチニングの方が多い。
チニングも数を重ねると結果はついてくるものの、それと反比例して奥深さや難しさを感じるようになってきた。
基本苦手な事や嫌な事からは逃げるタイプの人間ではあるが、釣りに関しては挑戦したいという気持ちが勝る。
チニングではほぼワームで釣ってきたが、ハードルアーでも釣りたいという欲求が沸々と湧いてきたのは、梅雨も明け攻撃的な日差しが降り注ぎ始めた頃だった。
トップ、シンペン、バイブレーション、ミノーと一通りは持っておりこれまでも挑戦はしていたが、直ぐ諦めて確実な方法を選んでし待っていたので、
自分に対してハードルアー縛りを課してみたのだがびっくりするぐらい釣れない。。
朝夕と5回程チャレンジするも釣果0と無残な結果に終わってしまったが、世の中にはこれで釣れている人もいると思うとこんな私でも少しは悔しさを感じるのは自分の中でも発見である。
楽しい時の夏の日差しは私に元気を与えてくれるが、このような貧果の中では私のメンタルを容赦なく削ってくる嫌なヤローでしかない。
そんな中でもなんとか続けてこれたのは釣れない中でもルアーをチェイスするシーンなどところどころであったからだ。
私のエリアは基本水が濁っているのでかなり手前の表層付近でないと反応を見る事が出来ないのがもどかしい。
少ないながらのヒントを考察すると、ワームで釣れるポイントとハードルアーで反応があるポイントは一致しない場合があるという事だ。
ハードルアーの中でも種類によってまた相性の良いポイントも変わってくる。
この季節はトップで一番連れて欲しいのでトップが良さそうな場所は何かという事を考察しながら新たなポイントを開拓を繰り返した。
ポイント選び
小魚を意識すると考えると追い込みが出来そうな湾になっている部分をメインに、
かつ、で草木でシェードになっているポイントを探っていくと反応は徐々に増えてくるようになった。
チヌは音に敏感だが、音の種類やシチュエーションによって異なると思っている。
そもそも音NGだったらホッパーそのものを否定しなければならないので、草木から虫などが落ちてくるケースがチヌの頭にあれば反応してくれるのではないかと考えた。
後は木陰は涼しいし死角にもなるからポイント選びのメインに設定している。
釣れない日々は続くも、各ポイントにチヌの気持ちになって考えるという事は割と楽しかったりする。
17回忌
平日仕事などの都合もあって釣りに行けない日も多い。多くのアングラーもそうだと思うがやはり土日の釣りの時間というのは大変貴重なものである。
そんなある土曜日は私の祖母の17回忌であるため、朝9時には家を出ないといけず釣りは自重しようとしていたが、ポイント巡りにハマっていた私は、買い物に行くという理由で30分程度家を抜け出し普段いかないポイントを数点見て回った。
そこで終われないのが妻からの信頼を失っているものの模範行動と言うべきか、めちゃくちゃ良さそうなポイントがあったので一投だけと心に決め、ホッパーをキャスト
少し間を開けてから控えめに巻いていくと「コポっ!」と音を立てホッパーが見えなくなり、その後竿先に生命感を感じる1秒足らずの瞬間。
やっとトップでチヌをヒットさせることに成功した。
急転直下
人生初トップでチヌを掛けた私だが、冷静さを欠いていた。
というのも、まずドラグが緩すぎて一気にチヌが走ってしまったが、ストラクチャーの多い場所へと最悪な場所へとチヌが走って行った。
これはまずいとドラグを締め、強引に移動させたところで「フックアウト」してしまった。。。
手が震えている。初めてのバイトで興奮してフッキングもちゃんと出来ていなかった事を含めて最悪の流れだった。
とはいえそこまで悲観する事では無い。ついにバイトまで持ち込めたという事実自体は喜ばしい事だ。
明日への希望を持てたため、家に帰ろうとルアーを回収しようとしたところ、ぐっと竿に重みが。。。。
はい。やってしまいました。木の枝に引っ掛かり取れない。
とはいえ自生の木では無いので枝ごと回収できるだろうと軽い気持ちで思っていたが抜けない。。これは地面にしっかり目に刺さっているタイプのやつだ。。。
裏目
枝ごと回収するのを諦めた私は、数秒悩んだ。強引に引っ張るとラインブレイクする事になり、すなわちそれはルアーをロストする事になる。決して安いものでは無いのと普段ルアーを使わないのでロストの精神的なダメージは計り知れない。。
何とかやれることはやってみようと、根掛かり回避策を駆使するも全く外れない。もうロストをほぼ覚悟していたが最後に人あがきと思い竿を強めにシェイクすると急に軽くなった。
「やった!ついに外れた!」と思いきや・・・
「やった!ついに外れた!」と思いきや・・・。外れたのはロッド。。
良くはないのだが、かつて同じように2ピースロッドが外れてしまったという事はあったため、驚かなかった。まぁ、「ラインを回収すれば一緒にロッドも回収できるや」と安易に考えていたが、冷静に考えると「ラインブレイクしたらロッドも回収できないじゃん!」と事の重大さに気づいた。
真田探検隊
ロッド救出作戦
1500円を失う事を躊躇う代償として約10倍の損失のリスクが発生してしまった。流石にそれは容認できないという事で右往左往。釣り場は低い桟橋で飛び降りるには少し怖い高さだった。橋の下に降りるルートがあるかを確認するも草で茂っていてどこから足が届くのかが分からない。
どくだみの香り
ルアー・ロッドがある場所は目と鼻の先であるが、たどり着くルートを見つけ出せずにいた。家から梯子を持ってくる事も考えたが、無事なロッドとリールを残して10分以上場を離れる事も躊躇われる。これはもう覚悟を決めるしかないと、道路わきから草むらに突入ししゃがみ込み地面を見つけ、地面を辿る。
移動していると急に子供のころの記憶が私の頭の中によぎってきた。体にいいと母親が一時期冷蔵庫に入れていた苦手な飲み物。。。「どくだみ」の香りが私を包み込んでいる事に気づいた。どくだみの群生を突き進み、ようやく橋の下に到達。
救出
どくだみの香りと、泥と水で全身ボロボロの私だが、苦労した末に無事ルアー、ロッドを回収。最悪な出来事だったが、なぜだが最後は妙な達成感に満たされていた。
最後に
振り返ってみるとバラしたながらもチヌをトップでヒットさせることが出来、ルアーもロッドも回収できたのである意味良かったのかもしれないが、なんせこの日は法事。泥だらけでどくだみの香をまとって帰宅した私は、良い大人であるが本気で怒られた。自業自得と言えば直ぐに終わるのは余りにも報われないと思いこれを持って消化させてもらう。
最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。あなたにも幸せな釣りライフが遅れますように、、、